女性リーダーの増やし方②
先日、女性リーダーの増やし方①で、女性リーダーを増やすためには、
①会社の制度
②上司のマネジメント
③本人のスキルやスタンス
が必要、と書かせていただきました。
その中でも、本日は、「①会社の制度」について書きたいと思います。
そもそも、なぜ女性リーダーが育たないのか?についてですが、よく言われるのは、「管理職になりたいと思う女性が少ない」と「スキルが足りない」です。
だからと言って、会社の制度が整っていない中でスキルやスタンスの研修等をやったところで、うまくいきません。
私は人材紹介業もやっていますが、20代中盤~30代前半の未婚女性から、「この会社では働き続けられないので転職します」と言われることがとても多いのです。
理由を聞くと、「出産で女性の先輩はみんな辞める」「管理職は男性しかいない」「出産後も働いている女性の先輩がいない、いてもスーパーウーマンみたいな人だけしか残れない」「出産後は一般職になる人もいるが、かなりお給料が下がるから嫌だ」などなど。。。
こうなってしまっては、管理職を目指したいどころか、いつか転職をする前提でブレーキをかけながら仕事をする、ということになりかねません。
ですので、女性リーダーを増やすためには、まずは出産後も安心して働き続けられる制度が必要だと考えます。
その中でも、得に有効だと私が思う制度は下記です。
①保育料の補助
認可保育園に入れれば良いですが、認可外保育園となると、10万円前後(私の家の周辺は13~18万円でした)もかかり、何のために子どもを預けてまで働いているのか分からなくなってしまいます。
名目は子ども手当などでも良いと思うのですが、1人目5,000円、2人目3,000円、3人目1,000円、などはよく見る金額設定です。
ただし、これは同一労働同一賃金の対象になりますので、正規社員以外の対象者も考えながら、金額設定をしましょう。
また、復職後も、どうしても帰れない日があったり、たまには誰かに預けて息抜きをしたい日もあります。
そのために有効なのが、ベビーシッターです。
会社がベビーシッターの会社と契約し、利用料の何割か負担してあげるのも有効です。
私は結局、ベビーシッターは使いませんでしたが、この制度があったので、復職後も安心して働き続けられるイメージがありました。
②看護休暇を有給に
看護休暇とは、負傷や病気になった子供を持つ労働者が世話等を行なうために取得できる休暇ですが、有給か無給かは企業が決めて良いことになっています。
子どもが1歳児の頃は、週の半分くらい熱を出したり感染症の病気になって、その度にお母さんが保育園から呼び出しがかかることがあり、子どもが心配なうえに会社に対しても肩身の狭い思いをし、経済的な不安も抱えていては、とても安心して働けません。
以前、子どもが熱を出す度に病児保育の保育園に預けて、子どもに申し訳ないと言いながら働いているお母さんを何人も見てきました。
ですので、看護休暇を有給にしてあげることは「安心して休んでいいよ」という会社からの温かいメッセージになると思います。
③妊婦休暇
妊娠期は、100人100通りです。
臨月まで体調も良く普通に働ける人もいれば、つわりが激しく全く仕事にならない人、切迫早産で入院になる人、と様々で、周囲の人に本人の辛さは分かりません。
法律では、妊婦本人が会社に申請すれば通院休暇を取得することができることになっていますが、妊娠23週までは4週間に1回、24週~35週までは2週間に1回、36週以降出産までは1週間に1回です。
ですが、これはあくまで通院に必要な休暇ですので、体調不良になった場合には、有給休暇を取らなければなりません。
どうしても辛いとき、妊婦休暇があれば助かる妊婦さんはたくさんいると思います。
ちなみに、「通院休暇も有給休暇を使いなさい」と言う会社があると聞いたことがありますが、会社側は通院休暇に有給休暇を使うことを指示できないのでご注意ください(本人の希望ならOK)
④産後ママとコミュニケーションを取り続ける
産後ママは、日中、家で独りで子育てをして、孤独な方が多いです。
そして段々と社会から切り離されたような感覚になり、1年も経つと、復職面談の頃には社会復帰出来ないのでは・・・、と不安になります。
ですので、産休に入る前に、プライベートの連絡先を聞いておき、定期的に連絡したり(仕事にならないように注意)、会社の仲間でBBQをやるときなどに誘ってあげたり、いつでも子連れで会社に来ていいよ、という会社もあるようですが、つながりを持ち続けることが大切です。
その他にも、フレックス制度や、メンター制度など、有効な制度はあると思いますが、まずは、子どもを産んでも安心して働き続けられる制度を設定し、女性も中長期のキャリアを描けるようにしてあげることが、女性リーダーを増やす第一段階だと思います。