チームワーク力について
最近よく、
「チームワークの研修をしてほしい」
という話をされます。
コロナ禍でチームワークが悪くなった、というより、リアルで毎日会っていても、チームワークに課題がある、とのことです。
実際に研修をしてみると、
・他部署からの依頼の仕方が悪い(依頼が雑)
・何でそれを依頼されるのか背景が分からない
・依頼した仕事がその後どうなっているのか分からない
・仕事を依頼したら忙しいと断られる(嫌な顔をされる)
・思いつきで仕事を依頼しないで欲しい
・自分で調べれば分かることを聞いてくる(何度も同じことを聞かれる)
・みんな「なる早で!」と依頼してくる
・仕事を依頼したら、それはうちの(部署の)仕事じゃないと言われる
などなど・・・様々な問題が出てきます。
何でこのようなことが起きるのでしょうか?
どうすれば良いのでしょうか?
よくある解決策は、業務依頼書がキチンと運用されていないことが問題なので、業務依頼書を改良し、運用ルールを整備しよう、ということです。
もちろん、それも大切なことだと思います。
でも、私は、それだけでは根本的な解決にならないと思っています。
前職でも同じことが起きていました。
その時も、「電話で他部署の人に依頼することはNG」というルールになり、他部署に依頼するときには、まず上司に相談し、上司がOKなら上司もccに入れてメールで依頼し、やるかやらないかは、受け手側の部署がその他のスケジュールも鑑みて決める、となりました。
そこで起きたことは、さらなる関係性の悪化・・・。
ちょっと電話で聞きたいことやお願いしたいことがあって電話した人が、「自分で調べて下さい。」や、「正式にメールで依頼して下さい。」などと言われ、電話を切った後に、「お役所か!」と言っていました。
(お役所の方、ごめんなさい。。。)
また、「あんな依頼をしてくるなんて、あの部署の上司もどうかしている!」なんてことも。
でも、そもそもなぜそんなルールを作ることになったのか、という背景ですが、全国から大小様々な依頼や質問など来がちな部署があり、その対応で肝心な自分の業務が進まず、常にその部署全員が深夜残業になっている・・・という問題があったからです。
仕事を依頼したい人も、依頼された人も、一生懸命仕事をしていて、誰も悪くないのに、ものすごく関係性が悪化していったのです。
そして関係性を修復するためと、お互いの仕事を理解するために、組織横断で飲み会が定期的に開催されることになり(飲み会費用は会社持ち)、どうにか関係性は良くなっていきました。
私が言いたいのは、飲み会をしましょう、ということではなく(笑)、お互いの仕事を理解し、お互いが相手の立場に立って一緒に仕事をしようというスタンスがあれば、チームワークはうまくいく、ということです。
逆に、そのスタンスがなければ、どんなにルールを作ってもうまく行かない、ということです。
以前の上司がことあるごとに、「3人の石切り職人」の話をしていました。
この昔話は有名なのでご存知の方も多いと思います。
”旅人は、ある村を訪れました。
村では、三人の石切職人が、作業をしています。何やら、大きな建物を建築しているようです。
旅人は尋ねました。
「あなた方は、何をしているのですか?」
一人目の男は答えました。
「石を切って稼いでいるんだよ」
二人目の男は答えました。
「私は、国一番の石切職人になるために、技術を磨いているのです」
三人目の男は答えました。
「私は、村人の皆さんの憩いの場所となる、教会を建築しているのです」”
(投資をしてでも)売上を上げたい部署と、どうにかコストを削減して利益を上げたい部署は、一見、相反する仕事をしているので、1人目や2人目の石切り職人のようなスタンスでは、協力し合えるはずはありません。
でも、3人目のように、目指す姿を共有出来たときに、協力し合える仲間になれるのです。
ルールはもちろん大切、ですが、みんなが同じビジョンを目指して協力し合い、時にはお互いの仕事にはみ出しつつ(前職でははみ出し力、おせっかい力、などと言われていました)、協力し合ってチームワーク力を高めていきたいですね。
このコロナ禍では、テレワークも進み、このようなお互いの仕事を知る、理解する、という会話がますます減っているのでは、と思います。
今こそ、お互いが何を考えてどんな仕事をしているのか?困っていることはないか?助けられることはないか?ということを会話する機会を意識して持つことが必要だと思っています。