主体性について
最近、求人票を見ているとよく「主体性のある方」という文言を見ます。
もっと言うと、娘が小学校受験をしたときに、どこの学校でも
「主体性のある子を育てる」
というようなことをおっしゃっていました。
このVUCAの時代に、言われて動くのでは遅い、
言われて動くだけではより良い案は出てこない、
自分で考えて動ける人にならないと時代の変化に対応できない、
今の時代に「主体性」はとても重要な要素なのです。
では、「主体性」はどこで育つのでしょうか?
私はリクルートで常に
「お前はどうしたい?」
と言われ続けてきました。
これはもはやお家芸みたいなもので、
それから10年経った頃にはメンバーに
「あなたはどうしたいの?」
と聞いていました。
裏側では
「どうすれば良いか分からないから聞いてるのに!」
と言われていたようですが(笑)
おかげで私は常に「私はどうしたい?」と自分に問う癖が付きました。
最近、経営者の方からマネジメントのご相談をよく受けます。
これまでマネジメントをさせてこなかった(勉強させてこなかった)ので
マネジメントの仕方が分からない管理職がほとんどだと。
そのほとんどが、ToDoの指導しかしてこなかったので、
それ以外のやり方が分からない、というものです。
ToDoの指導はその場だけで考えたら速くてやりやすい。
指導する方もされる方もスッキリしますよね。
でも、それを続けているといつの間にか、
「言われたことしか出来ないメンバー」と
「ToDoでしか指導できない管理職」の集団になってしまいます。
ちなみに、「お前はどうしたい?」と聞くことはとても難しいです。
なぜならば、メンバーが「こうしたいです!」と言ったことが的外れ(だと上司が思う)場合、
「それは全然違うよ!」と上司が言ったらどうでしょう?
メンバーは「(じゃあ最初から聞かないでよ!)それならどうしたら良いのですか?」となるでしょう。
(結局最初に戻ってToDoの会話になる)
そうならないためには、
「どうしてそう考えたの?」
「他の案もある?」
と思考を深掘りしていって、
自分でもっと良い案に気づいてもらう必要があるのです。
もしくは、大けがしない程度に失敗しそうな案も
「やってみなはれ。」
でやらせてみて失敗させてそこから学んでもらうなど。
つまり、上司の
「忍耐」と「ヒアリング力」と「コーチング力」と「責任を取る覚悟」
が必要になってきます。
また、メンバーもそのマネジメントに慣れるまでは
「考える」「考えてやった結果失敗する」
苦しみを感じると思います。
これを乗り越えて、
「ひとりひとりが主体性を発揮出来る組織」
が出来るのだと思います。
ちなみに、上司が
「あなたはどうしたい?」
と聞いて、メンバーが
「私はこうしたいです!」
と本音で意見を言えるためには、
お互いの信頼関係がないと
「(上司はこう言ってもらいたいんだろうな)こうしたいです。」
と顔色を見ながら言うことになるでしょう。
上司と部下の信頼関係についてはまたの機会に。。。